GUIアプリケーションを作るときに使うスクリプト言語のひとつにTk/Tclがある。Tk
/Tclは通常Pythonという言語に実装する形で使われるが、同様なことを日本で作られたプログラミング言語- Ruby にRuby
Tkとして実装することで実現することができる。
※Ubuntu系を使わない理由は後述
ここでは、Ruby Tk のFedora41へのインストール方法を紹介する。
(gemを使う方法、使わない方法があるが、ここではgemを使う方法を記述する。)
まず前提として、Fedoraでプログラミングなどを行いたい場合は、
sudo dnf group install development-tools
で、 開発者向けのツールを一括でインストールするべきである。
次に、Rubyをイ ンストールする。
sudo dnf install ruby ruby-devel
ここで、-develがつくパッケージは、debian系では-develの代わりに-devがつ
くパッケージになっていることが多い。
インストールが終わったらとりあえず、
gem update
を実行し、Rubyがインストールされていることを確認できるだろう。
さて、ここで gem install tk を実行するとエラーになることがわかる。これはruby tk がtkのパッケージを必要としているからであり、先に、
sudo dnf install libX11-devel tk-devel tcl-devel
で、Tkに必要な パッケージを入れる。
これが終わったらい よいよ、
gem install tk
で、Ruby Tkのセットアップを完了できる。
GUIで画像処理を したくなる時、Rubyのrmagickを使うことが多い。
参考にまでインス トール方法を列記しておく。
sudo dnf install ImageMagick-devel gcc-c++
gem install rmagick
LinuxといえばDebianをベースとしたUbuntu系のOSが普及していて、 RedHat系のOSは個人利用としては見受けられなくなりつつある。
ところで、 Ubuntu等OSでは通常のインストールにより最新版のRubyがインストールされない。
2024/11/29時点で、Debian・Ubuntuのapt、Fedoraのdnfによ りインストールされるRubyのバージョンは以下の通りである。
2024-11-29 |
Rubyの最新版は3.3.6 |
Debian 12 |
Ruby 3.1.x |
Ubuntu 24.04.1 LTS |
Ruby 3.2.2 |
Ubuntu 24.10 |
Ruby 3.3.x |
Fedora 40 |
Ruby 3.3.6 |
Fedora 41 |
Ruby 3.3.6 |
このように、Ubuntuでも最新版ではRuby3.3系がインストールされるが、LTSでは 3.2のままで、その一方でFedoraでは最新のFedora41もひとつ前のバージョンのFedora40でも最新のRuby 3.3.6がインストールされる。
また、aptでインストールすると管理者権限なしでrubyのgem(パッケージ)をインス
トールできないなどの不具合もある。
勿論、Ubuntuでもaptを使わずにインストールすることによりRubyの最新版をインス
トールすることができるが、この際コンパイルなどをする必要性があり、時間等がかかってしまう。それぐらいならFedoraでインストールを行い時間を節
約するべきと個人的には考える。
執筆:虚時間fλ
情報最終更新日:2024/11/29
記事作成日:2024/11/26